Home * Love 〜始まりは、キス〜



梅田さんは
ゆっくりと振り返りながら
「ん?」という。




顔を上げると
オレンジ色の眩しい光が目に入り
目を細める私。


「寒いからね、隣に行ってい?」

私が細い声でそう言うと、

梅田さんは優しく微笑んでから
左手でシートをポンと叩いた。


観覧車の中は、
足元とシートには
暖房が入っていて暖かいけど
上半身は寒く感じて。


私は不安定なこの場所が
動かないようにと

そーっと………、
梅田さんの横に移動した。


そして、梅田さんに寄り添う・・・



体と体はこんなに密着しているのに、
心の距離は全然縮まらなくて。

涙が出そうになったんだ。


どうしたら、
心の距離は縮まるんだろう・・・


そう考えたら
出てきたのは次の言葉だった。




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