Home * Love 〜始まりは、キス〜
―――5、6才くらいの女の子が
この巨大な空港内のロビーを
うろうろとさ迷っていた。
どうやら迷子になったみたいで。
『どうしたの?』
俺は女の子に歩みより、しゃがみこんで子どもの目線になる。
『ママ゙と…たろぢゃんが…いなぐなっ…じゃっだの』
と、大きな声で泣きじゃくり…
俺と由夏に訴えた。
鼻水と涙でぐじゃぐじゃになった顔を袖で拭う。
『貴也さん…ざっと見回したけど、お母さんらしき人は見当たらないわ?』
『そうか。すぐに見つかればいいけどな……』
俺も辺りを見渡すが……
子どもを探してそうな母親はいなくて。
『大丈夫。…お兄ちゃんと一緒に探そうか。』
と、女の子の頭を撫で…
手を差し伸べてから
立ち上がった時だった。
『多実ちゃ〜〜〜ん!』