Home * Love 〜始まりは、キス〜
━━そしてお昼休み━━
まだ肌寒さが残る、
風が強い午後。
寒い思いをして着いた先は
木目調で統一された店内。
明るすぎない照明。
レトロな雰囲気の洋食屋だった。
「で?何が起きたの?」
そう言って、
愛梨は暖かいミルクティを
すすりながら…
私を上目遣いで見てくる。
「お父さんがさ…急に海外転勤になっちゃって……。
パリに行っちゃいました。」
ため息をつく私。
「え…!?パリ…?フランス?遠いよ……
それは大変だ。じゃあ、小さな双子ちゃんも、パリに?」
と、驚いた様子で目をまんまるくする愛梨。
私はまたため息をついて言った。
「それがね。たろちゃんと多実ちゃん…私の家に来ちゃって。」