Home * Love 〜始まりは、キス〜
「センセ!こっちだよ!」
玄関を出ると、多実が手招きをして俺を呼ぶ。
「ああ………」
「早く、早くっ………」
ガチャ………
部屋のドアを開ける多実。
「お邪魔します………」
部屋の中に入り、
多実を追いかけるように
小走りで、ベランダへ急ぐ。
ソファーで寝ている鈴を
横目で、見ながら。
***
何とかバスタオルを取り込み、部屋に入る。
その瞬間。
ザザザーーーと一気に雨が強くなった。
窓に、打ち付ける、雨。
「ギリギリセーフだったな。………起きないの?」
そう言って、鈴を指差す俺。
2人はコクリと頷く。
「しょーがないなぁ………」
部屋を見渡す。
乾いた洗濯物が何日分もたまっている。
散らかった部屋。
だけど、床とキッチン周りだけは綺麗だった。
忙しいのか…………
「鈴の事、怒んないで?」