Home * Love 〜始まりは、キス〜
鈴の体が前方に傾き、
ドサッ…………
俺の肩に
もたれ掛かる形になった。
「………ん…」
うっすらと目を開ける鈴。
「寝るならベッドで寝ろよ…」
俺の言葉に頷く鈴。
「…………おやすみ…なさい」
はい?
おやすみ…なさい…?
そして、また次第に鈴の重みが伝わって―――
「…なぁ…?俺の話聞いて………」
ふと、下を向くと
“精神保健福祉士”
“スクールカウンセラー”
と書かれている
分厚い教科書が2、3冊
置いてあって。
━━━ホントにコイツは………。
頑張り屋さんなんだから。
まぁ、あと少しくらい
肩貸してやってもいいけど。
俺は鈴の隣に座る。
横を向くと
無防備な鈴の寝顔。
白い肌、頬はほんのりピンク。
スースーと寝息をたてていて。
不覚にも、ドキッ…としてしまったのだが。
この状況。
男なら、誰でもドキっとすると思うんだけど。
━━━この時は、
彼女の由夏が今、
どんなキモチでいるのか
分からなかった、俺。
━━━貴也目線 終━━━