Home * Love 〜始まりは、キス〜




と、たろちゃんが指差す方向には。


「でっかい…おにぎり?」

野球ボールより大きくて

野球ボールより形が三角な

おにぎり……と




す…スクランブルエッグ?


「梅田センセが夜ごはん作ってくれたんだよね?たろ?」

多実ちゃんの頬には米粒がついていて。



巨大おにぎりとスクランブルエッグの横には1枚の紙切れ。

【 頑張るのもほどほどに。 梅田 】



―――コレ、梅田さんが作ってくれたの?



ポツリ、ポツリ………

優しい、雨音。


トクン、トクン………

あたたかくなった私の心。



私は、不器用で大きすぎるおにぎりにかぶりついた。


「美味し………」

中には少し焦げた鶏そぼろが
入っていた。


少し苦くて、
ほんのり甘い鶏そぼろ。



私………
また、少し、パワーが増えた気がするよ。




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