あなたの為なら…
すると拓也は立ち上がって、私の後ろから抱きついてきた。
「なにやってんの?」
「お前はこんな細くて小さいのに、飯もほとんど食わず頑張ったな。」
な、なんなの急に!?
顔が熱くなる。
「なぁ、俺お前のことを大切にして幸せにしてやる。だからさ付き合お?」
「はぁ?!」
拓也の方に視線を向けるといつもの笑顔とは違い、真剣な顔をしていた。
「無理。」
「なんで?」
「汚いから。」
「え?」
「私の体も心もきたねぇんだよ!!お前みたいにそんな愛想よく笑えない!口も悪い!普通の人とは違う!!付き合ってもあんたに迷惑かけるだけだから!」
体は傷だらけ。
しかも左手首には、リストカットのあと。
心の中も闇でいっぱい。
普通の女達やたくやとは違う無愛想。
「逆に迷惑かけてもらいたい。華美はきたなくない。綺麗だよ。誰よりも。愛想がなくたって華美は笑えれてるよ?」
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