御曹司くんに再会したら溺愛されました

「お父さん、あのね…」

私が口を開くと、晴生は私の右手に手を重ねて制した。

「野原さん、私は里奈さんを一生幸せに
したいと思っています。
どうか里奈さんと結婚させていただけません
でしょうか?」

晴生は、父をまっすぐに見つめた。

「………ひとつだけ条件があります。」

と父が言った。

条件?

私は驚いて、父を見た。

「年に数回で構いません。
この子を帰省させてください。
放っておくと、この子は何年も帰って
きませんから。」

「お父さん………」

晴生は、にっこりと笑い、

「はい!」

と頷いた。

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