御曹司くんに再会したら溺愛されました
6月22日 土曜日。
私たちは、我が社のショッピングモールに来ていた。
1階、貴金属店が立ち並ぶエリアを見て回る。
「いらっしゃいませ。
何かお探しですか?」
「婚約指輪を」
「それは、おめでとうございます。
こちらへどうぞ。」
店内最奥へ案内される。
「どうぞ、お掛けください。」
私たちが腰掛けると、いくつもの指輪が並べられる。
「どういった物がお好みですか?」
私が晴生を見上げると、彼は微笑んで、
「どれでも里奈の好きなのでいいよ。」
「ご予算は…?」
店員さんが気を使って聞いてくれる。
「彼女が気に入った物なら、いくらでも
構いません。」
え!?
店員さんの目が、キラキラ輝いた気がした。