御曹司くんに再会したら溺愛されました
それから、また、数日後の実習最終日の前日、放課後の空き教室で、私は最期のレポートを仕上げていた。
そこにたまたま、筆箱を忘れた晴生くんが教室に入ってきた。
「里奈先生、何してるの?」
晴生くんはいつもの明るい笑顔で言った。
「レポートを書いてるの。
これ出さないと、教育実習、終わらないのよ。」
と、私が笑うと、
「先生になるのも大変なんだね。」
と晴生くんが笑った。
だけど、晴生くんは筆箱を握りしめたまま、動かない。
「ん?
どうしたの?」
私が尋ねると、晴生くんはいつもとは違う、緊張した面持ちで、言った。
「里奈先生、俺、里奈先生の事が好きです。
俺、まだ中学生で子供だけど、後、5年で
20歳になります。
そしたら、25歳の里奈先生は、俺と
付き合ってくれますか?」
とても好感の持てる、かわいい告白だった。