御曹司くんに再会したら溺愛されました
夕方、私は定時で帰る。
課長がうちに寄るなら、きっと早めの時刻の筈だ。
19時半。
ピンポーン
玄関のチャイムがなる。
課長が険しい顔で入ってきた。
鞄を下ろし、ジャケットを脱いで、ベッドに腰掛ける。
「里奈、昨日のあれは、どういう事だ?」
「あれは…」
うまく説明できなくて、言葉を探していると、課長は、なおも続けた。
「高岡と一緒だったんだよな。
あいつに惚れたのか?」
「違います。
強引に連れて行かれただけで、彼とどうこう
いう事はありません。」
「じゃあ、なんであいつがお前の電話に
出るんだ。」
「分かりません。
彼に聞いてください。」
「そんな事出来ないのは知ってるだろ?
里奈、あいつに乗り換えたりしないよな?」
「そんな事は考えてません。
でも………」
そこまで言って、言葉に詰まった。
「でも、なんだ?」