御曹司くんに再会したら溺愛されました

仕事にも慣れた7月末、夏休みを交代で取っていて人が少なかった事もあり、私はいつもより遅くまで残業していた。

20時。

ようやく作業が終わった。

入社して4ヶ月、こんなに遅くまで残業したのは、初めてだった。

「遅くなって申し訳ありません。」

私は、そう言って、作成した帳票類を係長に提出した。

「いやいや、こちらこそ、新人さんにこんなに
遅くまで残業させて申し訳ない。
お腹空いただろ?
メシでもおごるよ。」

憧れの係長と食事!?
緊張しすぎて、無理でしょ!?

「ありがとうございます。
でも、これも仕事なので、お気遣いなく…。
お先に失礼します。」

私はやんわりとお断りした。

「そんな事言わないで。
俺だってたまには若い子とおいしいご飯
食べたいんだから、この後もし用事がないなら
付き合ってくれない?」

「はあ…
私なんかで良ければ… 」

私は、ついうっかり承諾してしまった。

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