御曹司くんに再会したら溺愛されました
「………
里奈さん、昨日、何かありました?」
晴生くんが私の目元を見て、真面目な顔で尋ねる。
「ちょっと…というか、何も…というか。」
晴生くんのまっすぐな目は、私に嘘をつかせてくれない。
「別れ話、したんですか?」
「したけど…
結局、流されちゃった。
私が弱いから、いけないんだけど…。」
晴生くんの目に怒りが灯った気がした。
「今度は、俺も一緒に言います。
里奈さん、優しいし、課長の方が口が上手い
から、何度言ってもきっと丸め込まれて
しまいますよ。」
「それは、ダメだよ。
晴生くんにそんな迷惑掛けられないし、
課長も晴生くんに嫉妬してるから、
冷静に話できないと思う。」
「嫉妬?」
「最近、よく気にしてるから。
晴生くんに『惚れたのか?』とか、
『年下のイケメンの方がいいんじゃないか』
とか。」