御曹司くんに再会したら溺愛されました
私たちは、そのまま取り留めのない話をして過ごした。
中学生の頃からみんなの人気者だった晴生くんは、話がとても上手で、私を退屈させる事なく楽しませてくれた。
「里奈さん、お腹、空きません?」
「そういえば…」
「お昼、食べに行きましょうよ。」
「うん。」
「何、食べたいですか?」
「え? 何でも…」
「何でも…は、なしです。
何でもって言ったら、俺は里奈さんを
食べちゃいますよ?」
「え!?」
突然、そんな事を言われて、うろたえる。
もういい歳なのに。
「ふふっ
里奈さん、かわいい〜。
真っ赤ですよ?」
恥ずかしくて、消えてなくなりたい…
「見ないで。」
私が顔を背けると、
「無理です。
こんなにかわいいのに、目を逸らせるわけ
ないでしょ?」
と晴生くんは私の顔を覗き込む。
そんな恥ずかしい事を、さらっと言わないでほしい…