御曹司くんに再会したら溺愛されました
「おっと!」
係長がふらつく私の腰を抱いて支えてくれた。
「すみません。
もう大丈夫ですから…」
なんとか自分で立とうと試みるが、係長は手を離してくれない。
「無理でしょ?
今日は、飲ませすぎた俺が悪いんだから、
家まで送ってくよ。」
そう言われて、係長に腰を抱かれたまま店を後にする。
それにしても、腰なんて、そんなとこ、生まれてこの方、1度も他人に触られた事ない。
くすぐったいような、恥ずかしいような、係長に密着してちょっと嬉しいような、不思議な感覚。
係長と一緒にタクシーに乗せられて、住所を聞かれる。
就職と同時に一人暮らしを始めた私は、住所もうろ覚えだった。
私が財布に入れてあった免許証を出すと、係長が運転手さんに伝えてくれた。
なんだか眠くなった私は、係長の肩に頭を預けて寝てしまった。