御曹司くんに再会したら溺愛されました
「野原さん、着いたよ!」
遠くで声がする。
あ、気持ちいい。
ふわふわ空を飛んでるみたい。
ふふふっ
「里奈、鍵、出せる?」
里奈?
里奈!?
え!?
目が覚めた。
目の前に係長の整った綺麗な顔。
「わっ!」
慌てて身動きすると、
「危ない! じっとして!」
と係長に注意される。
私は驚いて動きを止めた。
すると、係長はお姫様抱っこの状態からそっと下ろしてくれる。
係長は下ろした私の腰を抱き、倒れないように支えながら、私のバッグを渡してくれた。
「鍵、出せる?」
「はい。」
私は鍵を出すが、うまくさせない。
係長は、私から鍵を取り上げて、ドアを開けると、私を支えて中まで運んでくれた。