Revival
Chapter２
喫煙室の中にいるのは、２人の男だった。

アッシュベージュに染めた短髪の男がタバコを口から離すと、
「なあ、聞いたか？」
と、ウェーブがかかったマッシュヘアーの黒髪の男に声をかけた。

「何が？」

マッシュヘアーの男こと小祝一択（ｺｲﾜｲｲｯﾀｸ）は訳がわからないと言うように聞き返した。

彼はシンガーソングライターを目指しており、月に５回ほど『ブルーグラス』のステージで自作の歌を歌っていた。

「この前、『ＦＥＥＴ』に新しく入ってきた例の女のことだよ」

そんな彼に、短髪の男こと大山清貴（ｵｵﾔﾏｷﾖﾀｶ）は言った。

彼は『レインボーズ』のメンバーで、ドラムを担当している。

「ああ、例の彼女か！」

小祝は思い出したと言うように、パンと手をたたいた。

「話によると、ギター１本で楽屋に乗り込んで“あたしをメンバーに入れてください！”ってメンバーに直談判したんだって」

そう言った大山に、
「へえ、なかなかの度胸の持ち主だな」

小祝は感心したと言うように言った。
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