ず っ と 。




翌朝、私はまた熱をぶり返していた

肺が酷く痛み、咳をするだけで軽く悲鳴をあげるほど


病院に行きたい……


でも勝手に家から出たことなんか今までに無いし、そんなことしたら何をされるか分からない


蒼介先生の顔を思い浮かべると、なぜか涙が止まらなくなった

誰かに優しくされたのが本当に久しぶりだった


まだ、私をひとりの人間として扱ってくれる人がいるという事実が嬉しくて仕方がなかった



ぼーっとそんな事ばかり考え、意識を手放すようにまた眠りについた






< 58 / 80 >

この作品をシェア

pagetop