ず っ と 。
トントン と、肩を叩かれた気がした
警察かな……
前に1度だけ、今と同じくこうしてる時に、警察に見つかって補導されたことがある。
恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは警察ではなかった
「大丈夫?」
見知らぬ若い男の人
「……ん」
コクっと頷いて、また膝に顔を埋める
「寒いでしょ?家に帰らないの?」
何も言わないでいると、スッと首に何かが巻かれた
「風邪ひかないようにね」
まだ会って数分もしてないのに、その人は私にマフラーをくれた
そして何も言わずにどこかに行った
なんでだろ と思いながらも
きゅっとマフラーを握って、もう一度 目を瞑った