ず っ と 。



それから初花ちゃんは少しずつ、今までの事を話してくれた。警察などには一切他言しないことを条件に。


父親は物心ついた頃にはいなかったこと

母親から毎日のように暴力を受けていること

学校に通っていたのは中学1年の夏が最後だということ

母親が連れてくる男に性的暴行を受けていること


正直、俺と佑真の想像を遥かに超えるものだった



「このまま、退院させる訳にはいかない、よな」


お互いの業務が落ち着いた深夜に、俺と佑真は中庭のベンチに腰かけた


初花ちゃんが入院してもうすぐ1ヶ月が経つ

佑真のカウンセリングのおかげもあり、病状は安定している


通常であれば、もう退院させても問題は無い

しかし、状況を考えれば、初花ちゃんを退院させることはどう考えても出来ない

とは言え、限りある病床にずっと入院させることもできない





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