ず っ と 。

初花side




「おはよう初花ちゃん」


「おはようございます」



朝10時 いつものように蒼介先生が回診にきた

いつもと違うのは、今日は看護師さんがいないこと



「調子はどう?」


「普通ですよ」


「それならよかった。今日はちょっと話したいことがあって」


そう言ってベッド横にイスを置いて腰掛ける先生


なんだろうと思い、私も体を起こす



「初花ちゃん、最近調子も良くなってきたから、そろそろ退院を考えなきゃいけないんだ」


退院 の言葉を聞いただけで、急に心拍数が上がる

元気になったら退院

それが普通のことで、むしろただ風邪をこじらせたような私を1ヶ月も置いてくれたのは、先生たちの好意なのだろう


「退院って、きっと普通は喜ぶんですよね」


「うん、まあ、ね、」


少し悲しそうな表情になる先生


「私大丈夫ですよ。ちゃんとお家に帰りますから」


きっとこの1ヶ月は、つかの間のお休みだったんだ

また、戻るだけ。大丈夫。


そう言い聞かせても、どうしても息が詰まる



「ううん、初花ちゃんをお家に帰すことはしたくない。これは俺のワガママなんだけど」


「え?でも、」


「もちろん、ずっとここにって訳にもいかない」


言ってることがよく分からなくて、首を傾げる



「これは1つの提案だから、嫌だったら断ってくれて構わないんだけど。

俺と一緒に、住んでくれないかな?」



、、、


「え?」



先生と?一緒に?






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