無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
田村は、自宅の応接室に駿太郎と彩月を案内すると、ソファに腰かけるように促した。
同じく白髪で、おっとりした雰囲気の田村の妻、美都子がお茶とお茶菓子を持ってきてくれた。
「まあまあ、羽生くん、おひさしぶりね。こちらは?」
「伊藤彩月です」
「俺の彼女」
「さっきからな」
ドヤ顔の駿太郎に苦笑しながら田村が返した。
「まあまあ、それはおめでとう。そんな嬉しそうな羽生くんは初めて見たわ」
美都子も嬉しそうに笑っている。
「ところで、彩月さんは絵が習いたいんだって?」
「はい。仕事の都合で同じ曜日が休みになることはまずないので、習い事には躊躇していたのですが、事情を組んでいただけるところがあれば、通いたいなとは思っておりました」
彩月は、さっきの美術館での何気ない会話から、駿太郎が田村に連絡してくれていたことを今になって気がついた。
「心配はいらない。好きなときにここに通ってきてくれればいいよ。駿太郎の彼女ならお金もいらない」
「そういうわけには,,,」
「いや、この鉄仮面を崩してくれたんだ。安いもんだよ」
かくして、彩月は田村に弟子入りすることが決まった。
「どの程度描ける?」
田村の質問に、彩月が恥ずかしそうにうつむいた。
そのあまりの可愛さに駿太郎は思わず抱き締めたくなった。しかし、田村も美都子もいるのでそれは出来ない。
そんな駿太郎をよそに、彩月はバッグの中からA5サイズのスケッチブックを取り出した。
「実は、水彩画を描いているんです」
それは色鉛筆を水滲ませて描いてある、淡いパステル画だった。
同じく白髪で、おっとりした雰囲気の田村の妻、美都子がお茶とお茶菓子を持ってきてくれた。
「まあまあ、羽生くん、おひさしぶりね。こちらは?」
「伊藤彩月です」
「俺の彼女」
「さっきからな」
ドヤ顔の駿太郎に苦笑しながら田村が返した。
「まあまあ、それはおめでとう。そんな嬉しそうな羽生くんは初めて見たわ」
美都子も嬉しそうに笑っている。
「ところで、彩月さんは絵が習いたいんだって?」
「はい。仕事の都合で同じ曜日が休みになることはまずないので、習い事には躊躇していたのですが、事情を組んでいただけるところがあれば、通いたいなとは思っておりました」
彩月は、さっきの美術館での何気ない会話から、駿太郎が田村に連絡してくれていたことを今になって気がついた。
「心配はいらない。好きなときにここに通ってきてくれればいいよ。駿太郎の彼女ならお金もいらない」
「そういうわけには,,,」
「いや、この鉄仮面を崩してくれたんだ。安いもんだよ」
かくして、彩月は田村に弟子入りすることが決まった。
「どの程度描ける?」
田村の質問に、彩月が恥ずかしそうにうつむいた。
そのあまりの可愛さに駿太郎は思わず抱き締めたくなった。しかし、田村も美都子もいるのでそれは出来ない。
そんな駿太郎をよそに、彩月はバッグの中からA5サイズのスケッチブックを取り出した。
「実は、水彩画を描いているんです」
それは色鉛筆を水滲ませて描いてある、淡いパステル画だった。