神様、どれほど償えば この恋は許されるのでしょうか?

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚


「……?」


呼ばれた気がして、振り返る。


「凪紗っ」

――私?

「お前なぁ、勝手に生物室に入って備品をあさるなよ」

「わたし?」

「いま、目の前で、アルコールランプ使ってトースト作ってるのは、誰なんだ?」

「わたし…、凪紗って名前だった…?」

「…はあ?どうした、どこか具合でも悪いのか?変だぞ、お前」


なんだろう、なんだかものすごい違和感がある。


――ここは、どこ?

どこだっけ……

ああ、そっか生物室だ。

今朝は母親の機嫌が特に悪くって、慌てて家を飛び出してきたから、朝食抜きで、お腹がすいちゃって……


「いま、何時?」


焼きあがったトーストにヨーグルトをのっけて食べる。
おいしいかと聞かれると、まあ微妙なんだけど……

昨日も夜ご飯食べれなかったから、これはこれでよしとする。


「もうすぐ8時だよ。…ていうか、お前、それさぁ、実験用の乳酸菌で作ってたヨーグルトか?」

「先生も食べる?」

「いや、いい。だって、めちゃくちゃ酸っぱいじゃん、ソレ」

「今回は、乳酸菌の量を加減したから、結構いい感じなんだけどなぁ…」


先生ってば、酸っぱいの苦手なんだね。

信じられないって顔して、わたしが食べるのを見てる。

ちゃんと、わたしが食べ終わるのを、待ってくれてる。


――ありがとね、先生……


ほんの少しだけ、心が充たされていく気がする。

うれしくて、暖かいきもち……

なんだかちょっと、得した気分。

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