一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
随分と長い間、その本を見つめて立ち尽くしていたようだ。
「あら、佐々木さんもその社長が気になるの?
その写真だと、せっかくのイケメンが良く見えないわよね。」
「え、設楽さん、この人の事知ってるの!?」
「あら、最近メディアによく出てくる…って、佐々木さんはそういうの疎かったわね。
豊沢グループが新しくIT系の新事業を始めて、その社長になったのよ。豊沢の一人息子らしいし、当然って気もするけどね。」
知ってる、彼のことは…。
「跡取り息子ってだけじゃなくて、かなりやり手の優秀らいしよ。
加えてかなりのイケメンで、独身。
この前ワイドショーでも特集やってたわ。」
イケメン、やり手、優秀。
鋭そうな目つきは、写真の横顔からも漂ってくる。
私が知っている彬くんは
優秀なのは間違い無いけど、成績を自慢するような性格ではなかったし、
おっとりしていて、
目つきも優しかった。
私の知っている彼は。
この社長の、この姿ではない。
この社長のことは、何も知らない。
「あら、佐々木さんもその社長が気になるの?
その写真だと、せっかくのイケメンが良く見えないわよね。」
「え、設楽さん、この人の事知ってるの!?」
「あら、最近メディアによく出てくる…って、佐々木さんはそういうの疎かったわね。
豊沢グループが新しくIT系の新事業を始めて、その社長になったのよ。豊沢の一人息子らしいし、当然って気もするけどね。」
知ってる、彼のことは…。
「跡取り息子ってだけじゃなくて、かなりやり手の優秀らいしよ。
加えてかなりのイケメンで、独身。
この前ワイドショーでも特集やってたわ。」
イケメン、やり手、優秀。
鋭そうな目つきは、写真の横顔からも漂ってくる。
私が知っている彬くんは
優秀なのは間違い無いけど、成績を自慢するような性格ではなかったし、
おっとりしていて、
目つきも優しかった。
私の知っている彼は。
この社長の、この姿ではない。
この社長のことは、何も知らない。