一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
3章
「あのう・・・・
 社長は、本当にあの彬くんなんですよね・・・・?」

今更な気もするけど、直接確かめてみたかった。

「もちろん。
図書館で会ってただろ。」

もちろん、なんて言われても。
あまりの変貌ぶりに、とても同一人物とは思えないんですよーと
言ってみたいけど、失礼な気がしてぐっとこらえる。

「紗良は、まだあの家に住んでるんだな。」

調べた、とさっき言っていた。
もう知られているのだから、隠すほどでもない。

「そうです。
3年前に母か介護の為に実家に戻ったので、今は一人暮らしですけど。」

「まだ使ってるのか?あのベッド?」

ベッド、と聞いても何のことか分からなかったのは一瞬だけ。
彼が言っているのは間違いなく、
私達が裸になった、あのベッドのことで…。

「もう使ってませんっ!!
あれから何年経ってると思ってるんですか!?
買い替えました!!」

思わず大きな声で息巻いてしまった。
顔が熱い。絶対真っ赤になってる。

「ふっ…」

向かいに座る社長が、控え目ではあるけれど笑い出した。

「その方が紗良らしい。」
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