一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
昔のような、と聞いて
あの甘酸っぱい感情が沸き上がって来た。
社長が言う’昔’とは
私が、彼が豊沢家の御曹司だという事実を知る前のことを差していることくらい、もちろんわかる。
昔のような関係、と言われても
知ってしまった事実は取り消せないし、そして何よりも・・・。
「変わったのは私だけじゃありません。
社長だって、あの頃の面影が無いくらいに変わっています。
それに、先ほど社長が仰ったように、社長と私では住む世界が違います。」
バックルームで言われた言葉を思い出す。
”今の俺たちは住む世界が違いすぎる。
こうでもしないと接点なんて作れない”
思い返してみても、先ほどのように怒りを感じることはもうなかった。
むしろ今では、社長との距離感を保つための大事な壁とも言える。
越えてはならない、大きな壁。
もてあそばれて、飽きたら捨てられて、なんてごめんだ。
「先程の言葉を気にしているなら謝る。申し訳なかった。」
「謝らなくていいです、事実ですから。」
ふぅ、とため息をついて、社長が続ける。
「このまま続けても話が進みそうにないから、単刀直入に言う。
紗良、
結婚を前提として、俺と付き合って欲しい。」
あの甘酸っぱい感情が沸き上がって来た。
社長が言う’昔’とは
私が、彼が豊沢家の御曹司だという事実を知る前のことを差していることくらい、もちろんわかる。
昔のような関係、と言われても
知ってしまった事実は取り消せないし、そして何よりも・・・。
「変わったのは私だけじゃありません。
社長だって、あの頃の面影が無いくらいに変わっています。
それに、先ほど社長が仰ったように、社長と私では住む世界が違います。」
バックルームで言われた言葉を思い出す。
”今の俺たちは住む世界が違いすぎる。
こうでもしないと接点なんて作れない”
思い返してみても、先ほどのように怒りを感じることはもうなかった。
むしろ今では、社長との距離感を保つための大事な壁とも言える。
越えてはならない、大きな壁。
もてあそばれて、飽きたら捨てられて、なんてごめんだ。
「先程の言葉を気にしているなら謝る。申し訳なかった。」
「謝らなくていいです、事実ですから。」
ふぅ、とため息をついて、社長が続ける。
「このまま続けても話が進みそうにないから、単刀直入に言う。
紗良、
結婚を前提として、俺と付き合って欲しい。」