一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
4章
「おはようございます。」

1時間以上ベットの上で頭を抱えていたものの、何とか起き上がってシャワーを浴びて
チェーン店のカフェでコーヒーを飲んでから出勤した。

少し場所を変えれば気持ちの切り替えができるかな、と思っての行動だったけれど
意外にも効果があり、少し気分はすっきりしている。

設楽さんはまだお休み(旅行満喫中?)
店長も休み(私と顔を合わせるのが嫌?)

仕事はそこそこ忙しく、大きなトラブルも、イラつくお客さんに遭遇することもなく終了。
更衣室で着替え、従業員用入り口から外に出た私が目にしたのは、

車の前で直立している、石田さんだった。

なんで!?

・・・そういえば、迎えに行かせるって言ってたような。

衝撃的な事が多すぎて、すっかり忘れてしまっていた。

「お仕事お疲れ様です。
さぁ、どうぞ。」

車のドアを開けてくれる石田さん。

昨日と同じような展開。
私の服装も、昨日と同じようなもの。

ここで断って、家に帰ったとしても、
きっと社長が家に乗り込んでくる、そんな気がした。

「これからどこに向かうんですか?」

運転席に着いた石田さんに聞いてみた。

知らずに車中で悶々とするよりも、知っておいた方が良いかな、という軽い気持ちだった。
それに石田さんも、昨日より雰囲気が柔らかいというか、話しかけても大丈夫な気がした。

「豊沢の自宅です。」
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