一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
北欧テイストのお皿とカップ。
レモンケーキとブラックコーヒー。
砂糖もミルクも添えられていない。

好みを尋ねられた訳ではないのに、まさに私の好み通り。

社長は、こんなことまで調べているのだろうか。

「あのう、もしかしてご存知なんですか?私の好みを?」

石田さんの前で迂闊なことは言わないようにしよう、と決めていたはずだけど
昨夜からの騒動で、頭の中が疑問だらけ。
聞きたいことが多すぎてパンクしそうだった。
少しだけなら聞いてみてもいいかな、と思った瞬間に言葉が口から出ていた。

「えぇ。社長から聞いております。」

「じゃあ、社長はどうして私の好みを・・・?」

1つ聞いてしまうと結局、もっと聞きたくなってしまう。

「さぁ・・・。紗良さんは心当たりありませんか?高校時代の頃話したことがあるとか?」

「私たちのこと、知ってるんですね?」

「えぇ。存じております。」

石田さんはにっこりと笑っているけれど、どうやらこれ以上話す気はないようだ。
というか、私の質問には答えてくれるけれど、それ以上の説明はする気がないみたいだ。
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