一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
私が考えていたこともすっかり読まれていたようだ。

この部屋に泊まったことがないって、
それじゃホテルとか、
いや、もしかして他にも家があるのか・・・。

「じゃあ次はお風呂ね。こちらです。」

「はい。」

私が泊まる客用寝室の隣の部屋が広い洗面脱衣スペースになっていて
その隣がお風呂。
落ち着く良い香りがしてくるから、もしかして、と思ったら
ヒノキ風呂だった。

まだお湯が張られていない状態でも、この香り。
お湯を入れたら、もっといい香りかするんだろうなーとウキウキしてしまった。

ヒノキ風呂って、温泉だけだと思ってた。
家庭用にもあるんだ。

綻んでいる私の顔に微笑みを向けてから、石田さんがお湯を張るリモコンを操作し始めた。

「湯量と温度はこれでちょうど良いと思うの。給湯ボタンを押すだけで良いから、簡単でしょ?」
「はい。」
 
「気に入っていただけたみたいで良かったわ。
家のお風呂が素敵だと、嬉しくなるわよね。」
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