一途な２人　～強がり彼氏と強情彼女～
たっぷりと張ったお湯につかるとほっとした。
昨日から、何もかもが目まぐるしくて思っていた以上に緊張していたようで、足先が冷えていた。

この先私、どうなるんだろう。
お風呂にまで入ってしまったから、今日は泊めてもらうにしても。
明日は朝一で家に帰ろう。
その後どうなるかなんてわからないけれど、このまま流されてしまうのが嫌だった。

もし社長と結婚したら、こんな豪邸に住んで、
家のことは全部家政婦さんにやってもらって、
何も考えずに優雅に生活できるんだな。

憧れない訳じゃないし、
贅沢三昧っていうのも、宝くじでも当たれば経験してみたいけど（宝くじ、買ったこともないけど）

私には、こんな世界は似合わない。

明日帰ったら大家さんに連絡して、住み続けることができるか、聞くだけ聞いてみよう。
ダメなら、新しい家を探そう。

これ以上社長に関わらなくて済むように、結婚とかお付き合いの話はきっぱりと断ろう。

少しの睡眠と温まった体のおかげで、
行動するエネルギーが湧いてきていた。


という決意は、この後一瞬にしてぐらつくことになる。
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