一途な２人 ～強がり彼氏と強情彼女～

「今日はもう遅いから寝ろ。」

社長が背中を壁から離しながら言う。
「明日は昼から百貨店の外商が来るから。」

「え？」

「休みだろ、明日。」

何で知ってるの、なんて疑問はもう湧いてこない。

「でもそんな・・・。
今日は、泊めてくださってありがとうございます。
でも朝になったら帰ります。」

「なぜ？」

「なぜってそんな・・・。
駄目なんです、こんなの。
社長と私では釣り合いません。」

「釣り合わないって、なにが？」

「全てです。
経済的にも、身分的にも。」

「ったく。何だよそれ。」

「私みたいな庶民を相手にしなくたって、大企業の娘さんとか、他にも・・・・
とにかく、相応しい人が他にもたくさんいるんじゃないですか？」

「確かに、そういった話がないわけではないが。」

「やっぱり・・・。」

「お前は、愛のない結婚はできるのか？」