一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
窓から差し込む光の明るさに目が覚めた。
部屋のカーテンは、黄色。
きっとこのカーテンも、季節によって替えたりしてるんだろうな。

今、何時?
ちょっと肌寒いくらいだけど、陽の高さを考えると私がいつも起きる時間を過ぎているはずだ。

この部屋には時計がない。
私のバッグも、昨日リビングに置いたままだ。

いつまでもここにいるわけにもいかない。

社長はどうしてるだろうか。
さすがにもう起きてるのかな。

自分のことで頭がいっぱいだったけれど、今日は外商が来ると言っていた。
社長も休みなのだろうか。

スリッパの音を立てないようにゆっくりと廊下を進み、リビングのドアをそうっと開けると
ソファに座っている社長が見えた。

「おはようございます。」

私に気づいていない社長に声をかけた。

「おはよう。」

社長が一瞬だけこちらに顔を向け、返事をしてくれたが、また直ぐ手元のタブレットに視線を落とした。
顔つきも険しい。

石田さんの姿は見当たらない。

壁の時計を見ると、9時を少し過ぎたところ。
朝食はもう済ませたのかな?

「あの、コーヒーでも淹れましょうか?」
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