一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
冷蔵庫には卵やベーコン、野菜、棚には食パンも置いてあって、朝食の準備には困らなかった。
きっとこれも、石田さんが用意してるんだろうな。

フライパンや包丁、まな板なんかも海外ブランドで統一されている。
きっと高級品だろう。
そして手入れも行き届いている。

トーストを焼き、ほうれん草とチーズを入れたオムレツとベーコンを焼き、コーヒーを淹れる。
ランチョンマットも見つけたのでテーブルにセッティングした。

「あのう、用意できましたけど・・・召し上がりますか?」

あまり見ないようにしていた社長の方を振り返るも、返事がない。

忙しいのかな、機嫌悪いのかな?

様子をうかがおうとソファへ近づくと

「寝てる・・・。」

ソファーに背中を預け、膝の上にタブレットを置いているが
目は閉じられている。
タブレットの画面もスクリーンセーバーだ。

どうしよう。
起こした方がいいのかな。

社長職って激務なんだろうな。

不思議なことに、今は強引な社長への反発心は湧いてこない。
少しでも、社長の疲れが取れるように協力してあげたい・・・。

昨夜からというもの、一体私はどうなっているんだろう。
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