一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
彼の、心臓の鼓動が聞こえる。
とくんとくんと、心地よい心音。
右手で、ゆっくりと頭を撫でられる。

全てが心地よくて、
完璧すぎて
まるで現実とは思えないこの状況。

おずおずと、社長の背中に手を回す。
そっとそこに触れると、彼の体が一瞬びくんとした後、
さらに強く抱きしめられた。

「紗良・・・・。
俺のもの。」

私の頭に顔をうずめている彼の声はくぐもっているけれど
しっかりと聞き取れた。

こんなに、私のことを想ってくれているんだ。

彼の気持ちに答えてもいいのかもしれない。
そう思えた。

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