一途な2人 ~強がり彼氏と強情彼女~
5章
午後5時。
「・・・疲れた。」
声に出してしまっていたようで、振り返った社長には呆れたような顔をされ
石田さんは労うように優しく微笑んでくれた。
私はどっと疲れていた。
早く帰りたくて仕方がない。
一刻も早く社長から離れたい。
ブランチの間は、自分でも驚くほどに自然と素直に社長に接することが出来た。
食べ始めたのが10時を過ぎていたというのもあるけど、話し込んでいたら時間があっという間だった。
1時前に石田さんがやって来たけれど、キッチンは散らかったままだった。
「片付けは私がやっておきますから、どうぞ支度なさっててください。」
言われてみれば、メイクどころか着替えもしていないような状態だった。
社長も似たような状態だったから気にならなかったけど、気づいてしまうとかなり無様だ。
部屋に戻りクローゼットを開けるが、そこに掛かっているような煌びやかな衣装を身に着けるなんてことは考えられず、昨日来ていた自分のジーンズとTシャツを着て、洗面台へ向かった。
顔を洗い、用意されていた海外ブランドの化粧水とクリームをつける。
当然のようにそこに置かれていたそれらは、もちろん女性用。
昨夜も使わせてもらったけれど、心なしか肌がいつもよりしっとりしている気がする。
普段持ち歩いているメイク道具は口紅だけ。
あの社長と石田さんのことだから、頼めば出てきそうな気もするけどやめておく。
普段から最低限のメイクしかしていないので、正直してもしなくてもそれほど変わらないと思う。
すっぴんでリビングに戻った私を見ても、社長も石田さんも何も言わなかった。
「・・・疲れた。」
声に出してしまっていたようで、振り返った社長には呆れたような顔をされ
石田さんは労うように優しく微笑んでくれた。
私はどっと疲れていた。
早く帰りたくて仕方がない。
一刻も早く社長から離れたい。
ブランチの間は、自分でも驚くほどに自然と素直に社長に接することが出来た。
食べ始めたのが10時を過ぎていたというのもあるけど、話し込んでいたら時間があっという間だった。
1時前に石田さんがやって来たけれど、キッチンは散らかったままだった。
「片付けは私がやっておきますから、どうぞ支度なさっててください。」
言われてみれば、メイクどころか着替えもしていないような状態だった。
社長も似たような状態だったから気にならなかったけど、気づいてしまうとかなり無様だ。
部屋に戻りクローゼットを開けるが、そこに掛かっているような煌びやかな衣装を身に着けるなんてことは考えられず、昨日来ていた自分のジーンズとTシャツを着て、洗面台へ向かった。
顔を洗い、用意されていた海外ブランドの化粧水とクリームをつける。
当然のようにそこに置かれていたそれらは、もちろん女性用。
昨夜も使わせてもらったけれど、心なしか肌がいつもよりしっとりしている気がする。
普段持ち歩いているメイク道具は口紅だけ。
あの社長と石田さんのことだから、頼めば出てきそうな気もするけどやめておく。
普段から最低限のメイクしかしていないので、正直してもしなくてもそれほど変わらないと思う。
すっぴんでリビングに戻った私を見ても、社長も石田さんも何も言わなかった。