臆病な背中で恋をした
しばらくして亮ちゃんから「腹は空いてるのか」と尋ねられて。
「えぇと、ちょっと」
「食べて帰るか。・・・・・・津田、寿司以外で任せる」
「・・・了解です」
運転手さんとそう会話したのを聴いて、あれ?と思った。いま確か『津田』って。
「・・・津田さんて。あのマーケティング課の津田さん・・・?」
「正解」
瞬きしながら亮ちゃんを見やったら、当の本人から返事が返った。
「先日はどうも。明けましておめでとう、手塚さん」
「あっ、はい! 明けましておめでとうございますっ」
慌てて挨拶し返したものの。どうして亮ちゃんと津田さんが? っていうか。・・・わたし普通に亮ちゃんって呼んじゃってる気が?!
さあっと血の気が引く。会社の人には知られないようにって、亮ちゃんとの約束・・・っっ。一言で言い表すなら、まさにムンクの『叫び』。
「あ、あのっ、津田さんっ?!」
我に返り。前のめりになって、とにかく必死に。
「・・・っ、あの、わたしと亮ちゃん、じゃなくてっ、日下室長は別になんでもないのでっ。誤解しないでください・・・!」
「誤解はしてない。見たまんま、理解してる」
淡々と言われて2度目のムンク。
「えぇとじゃあ、見なかったことにっ」
パニクって自分でもよく分からないことを口走った。
「・・・だそうですが。日下さん・・・どうします?」
「えぇと、ちょっと」
「食べて帰るか。・・・・・・津田、寿司以外で任せる」
「・・・了解です」
運転手さんとそう会話したのを聴いて、あれ?と思った。いま確か『津田』って。
「・・・津田さんて。あのマーケティング課の津田さん・・・?」
「正解」
瞬きしながら亮ちゃんを見やったら、当の本人から返事が返った。
「先日はどうも。明けましておめでとう、手塚さん」
「あっ、はい! 明けましておめでとうございますっ」
慌てて挨拶し返したものの。どうして亮ちゃんと津田さんが? っていうか。・・・わたし普通に亮ちゃんって呼んじゃってる気が?!
さあっと血の気が引く。会社の人には知られないようにって、亮ちゃんとの約束・・・っっ。一言で言い表すなら、まさにムンクの『叫び』。
「あ、あのっ、津田さんっ?!」
我に返り。前のめりになって、とにかく必死に。
「・・・っ、あの、わたしと亮ちゃん、じゃなくてっ、日下室長は別になんでもないのでっ。誤解しないでください・・・!」
「誤解はしてない。見たまんま、理解してる」
淡々と言われて2度目のムンク。
「えぇとじゃあ、見なかったことにっ」
パニクって自分でもよく分からないことを口走った。
「・・・だそうですが。日下さん・・・どうします?」