臆病な背中で恋をした
「そういう事で。・・・じゃあ失礼します」
挨拶なんだか良く分からない会話を交わし、津田さんは軽く会釈してあっさりその場を後にしようとした。
「ああ津田。預り物はきっちり本人に返しておけよ?」
「・・・了解してます」
付け足した社長にそう答え踵を返した彼を追おうと、わたしも慌ててまた頭を下げた。
「失礼します・・・っ」
「ああ。新人君もおおいに活躍してくれ。期待する」
「あ、はい。頑張りますっ」
口角を上げ威厳も漂わせた真下社長と目が合い、ちょっと身が引き締まる思いで。取りあえず無難に済んで、ほっと息を漏らした。
「何をそんなに緊張するんだか」
2人で壁の花に戻ったところで、津田さんに横目を向けられる。
「一緒にメシも食ったんだろ?」
「えぇとまあ・・・そうなんですけど」
少しぎこちない笑みを返した。
「なんかこう空気が違うっていうか? 怖いわけじゃないんですけど」
言葉にするのは難しい気もする。
「へぇ・・・。小動物の本能か」
「・・・あの。どうしてわたし、『小動物』なんでしょう?」
どこか面白がってそうな色の眼差しで見下ろされていたから、首を傾げた。
壁にもたれて腕組みした津田さんは。
「玩具(ペット)呼ばわりされるよりマシだろ?」
詰まらないことを訊くな、とでも言いたげにあくびを噛み殺す。
・・・・・・・・・。えぇと。人間扱いじゃない前提?
挨拶なんだか良く分からない会話を交わし、津田さんは軽く会釈してあっさりその場を後にしようとした。
「ああ津田。預り物はきっちり本人に返しておけよ?」
「・・・了解してます」
付け足した社長にそう答え踵を返した彼を追おうと、わたしも慌ててまた頭を下げた。
「失礼します・・・っ」
「ああ。新人君もおおいに活躍してくれ。期待する」
「あ、はい。頑張りますっ」
口角を上げ威厳も漂わせた真下社長と目が合い、ちょっと身が引き締まる思いで。取りあえず無難に済んで、ほっと息を漏らした。
「何をそんなに緊張するんだか」
2人で壁の花に戻ったところで、津田さんに横目を向けられる。
「一緒にメシも食ったんだろ?」
「えぇとまあ・・・そうなんですけど」
少しぎこちない笑みを返した。
「なんかこう空気が違うっていうか? 怖いわけじゃないんですけど」
言葉にするのは難しい気もする。
「へぇ・・・。小動物の本能か」
「・・・あの。どうしてわたし、『小動物』なんでしょう?」
どこか面白がってそうな色の眼差しで見下ろされていたから、首を傾げた。
壁にもたれて腕組みした津田さんは。
「玩具(ペット)呼ばわりされるよりマシだろ?」
詰まらないことを訊くな、とでも言いたげにあくびを噛み殺す。
・・・・・・・・・。えぇと。人間扱いじゃない前提?