臆病な背中で恋をした
6-1
「・・・ねぇねぇ手塚さん」
お昼休憩。6Fの休憩室でお弁当を広げているわたしの向かいに座り、コンビニのサンドウィッチを手に初野さんが、周りを気にしながら前のめりに声を潜める。
「手塚さんて、マーケの津田さんと付き合ってんの?」
思わずきょとんとして。目を瞬かせる。
「・・・いえ全然。全くです」
「なんかウワサよー? 新年会でずっと一緒だったとかー」
「忘年会で同じテーブルだったので、ちょっと話してただけですよ?」
小首を傾げて見せたら、あっさり信じてもらえた様子で。
「なんだ、そっかぁ。あのターミネーターが女子社員口説くとか、ついに地球の終わりが来たかと思って」
悪気なさげにニンマリする初野さん。
「地球が終わるんですか?」
わたしの疑問に、そのぐらいレア、と井戸端会議の主婦みたいに答えてくれた。
「笑ったとこ見たことないしねぇ。いっつも淡々としててさ、血液何色?ってカンジじゃない?」
・・・・・・なるほど。
「気が付いたら居たりいなくなってたり神出鬼没だって。同期の子が言ってたわー」
訊いてもいない情報までオマケでついてきた。
「なに? 何の話?」
銀行に用事があって、12時になった途端フロアから飛び出して行った三好さんが、コンビニの袋をテーブルに置いて初野さんの隣りに座った。
「んー? 手塚さんの彼氏が津田さんじゃないって話ー」
「そりゃそーでしょ。手塚さんのほうに選ぶ権利あるって」
・・・・・・えぇと。そんなに悪いひとじゃないですよ?、津田さん。
お昼休憩。6Fの休憩室でお弁当を広げているわたしの向かいに座り、コンビニのサンドウィッチを手に初野さんが、周りを気にしながら前のめりに声を潜める。
「手塚さんて、マーケの津田さんと付き合ってんの?」
思わずきょとんとして。目を瞬かせる。
「・・・いえ全然。全くです」
「なんかウワサよー? 新年会でずっと一緒だったとかー」
「忘年会で同じテーブルだったので、ちょっと話してただけですよ?」
小首を傾げて見せたら、あっさり信じてもらえた様子で。
「なんだ、そっかぁ。あのターミネーターが女子社員口説くとか、ついに地球の終わりが来たかと思って」
悪気なさげにニンマリする初野さん。
「地球が終わるんですか?」
わたしの疑問に、そのぐらいレア、と井戸端会議の主婦みたいに答えてくれた。
「笑ったとこ見たことないしねぇ。いっつも淡々としててさ、血液何色?ってカンジじゃない?」
・・・・・・なるほど。
「気が付いたら居たりいなくなってたり神出鬼没だって。同期の子が言ってたわー」
訊いてもいない情報までオマケでついてきた。
「なに? 何の話?」
銀行に用事があって、12時になった途端フロアから飛び出して行った三好さんが、コンビニの袋をテーブルに置いて初野さんの隣りに座った。
「んー? 手塚さんの彼氏が津田さんじゃないって話ー」
「そりゃそーでしょ。手塚さんのほうに選ぶ権利あるって」
・・・・・・えぇと。そんなに悪いひとじゃないですよ?、津田さん。