恋華宮廷記〜堅物皇子は幼妻を寵愛する〜
「ま、って、まだ、お昼……っ」
明るい場所で侍女以外に肌をさらすのは初めてだ。鳴鈴は羞恥で赤く染まる。
そんな妃を愛しそうに見下ろし、飛龍は甘ったるい口づけを始めた。
「結婚してから今までの分、たっぷり愛してやる」
「今までの分?」
「それが終わったら、これからの分だ」
いつのまにか全ての衣服をはぎ取られていた。飛龍の口づけが体のあちこちに赤い花を咲かせる。
飛龍がする「恥ずかしいこと」に、鳴鈴はまだまだ慣れそうにない。気持ちよくないわけではなく、高い声を上げてしまう自分に、なかなか慣れなかった。
(でも、これでいいんだわ)
最初から不器用でちぐはぐだった自分たちが、困難を乗り越えて一緒にいる。
きっとこれから、徐々に夫婦らしくなっていけるはず。焦らなくてもいい。
(だって、私とあなたはこれからずっと一緒なんだもの)
どんなことも、少しずつ進めていけばいい。進まなくなったら立ち止まればいい。
二人一緒にいれば、きっと大丈夫。
恥ずかしいことも、怖いことも、きっと克服できる。
その先に、もっと大きな幸せが待っているはずだから。
鳴鈴は強い力で抱きしめてくれる飛龍の広い背中に、そっと腕を回した。