一通の手紙
4章 蘇る記憶
俺は、手紙の半分以上を読み終えた。

手紙の中の俺は、楽しそうで、悲しそうで

いろんな感情で溢れていた。

これ以上読むのは疲れるから、明日読むことにした。

次の日、仕事から帰って来て

すぐに手紙を読み始めた。

"それは、突然の出来事だった。
学校は休みで、カレンに遊ぼうと誘いの電話を
入れた時、電話に出たのはカレンじゃなくて
カレンのお母さんだった。
そして、カレンのお母さんに言われたことは
「カレンが倒れて、もうダメかも知れない」
と言う言葉だった。
その言葉を聞いた瞬間、病院に急いで向かった。
病室にいるのは、いつもの明るいカレンじゃなくて
病魔に犯された病人姿のカレンだった。
それから、1週間ずっとカレンが目を覚ますのを
学校が終わった後に来て待っていた。
何度も名前を呼んだり、手を繋いだりして…。
その時、カレンの意識が戻った。
すぐにナースコールを押して、お医者さんと
看護師さん、カレンの父母が来た。
いろいろな話が終わったあと、カレンと
二人きりになった。
カレンが眠ってた時間の話をカレンにしてあげた。
カレンは、笑顔で聞いてくれた。
でも、それがカレンの最後の笑顔だった。
最後に「ありがとう。好きだったよ…。」と
俺に言葉を残して…
その日…カレンは死んだ……。
カレンの父母の泣き顔。
お医者さんの悔しそうな顔。
見ているだけで、辛かった。
涙を流して、俺は、病院を去った。
それから、お葬式などに出席して、
カレンが本当にいなくなったことを実感した。
どうか、この出来事すべてを思い出して!
カレンのことを忘れないで!
最後に未来の俺に言う。
すべてを忘れずに幸せになれ。"
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