あなたで溢れている
1、ばっさり
帰り支度をしていると
「修也(シュウヤ)今日も林(ハヤシ)の迎えか?」
肩をポンと叩かれ言われた。
「…今日はバイト。あ、そだ、英里奈(エリナ)に連絡しねぇと」
「相変わらず過保護〜」
呆れているのは高校1からの悪友、夏井(ナツイ)
「え、何、野村(ノムラ)ってカノジョいんの?」
と級友に聞かれ、苦笑いでごまかす。
扉を出るところで夏井がボソッと
「カノジョだって〜。いえいえ幼馴染みですよ、ただの幼馴染みなんですよ〜。告白もできないヘタレな修也君なのですよよよ」
幾度となく言われ続けている…
この悪友は、俺の想いを知っていて、告れとせっついてくるのだ。