あなたで溢れている
5、しっかり
「トイレで遅くなってスンマセン。あれ?英里奈ちゃんは?追いかけたんじゃないんスか?」
ベッタリグロスから荷物をもらっていると、ポメ子が聞いてくる、
「修也、今日だ。今日だよ〜。告んのは今日がいいよ〜。俺の感は当たるよ〜」
夏井の戯言をスルーして、俺は走った。
危ないって‼︎
可愛い英里奈がこんな暗いとこを1人で帰るなんて危ないって‼︎
英里奈を見つけ、加速した。
「…ハァハァ…英里奈‼︎」
とりあえずホッとする。
さっきから英里奈が怒っているが、原因が分からないので、不安でしかない。
「…英里奈…」
息を整えて、愛おしい名前を呼ぶ。
闇に浮かぶ英里奈は泣きそうに見えた。