あなたで溢れている
手を繋いで夜道を歩く。
幸せでフワフワと飛んでいきそうだ。
聞いてみたいことがあった、
「…英里奈は兄貴が好きなのかと思ってた…」
「秋ちゃんを?」
「会えるって楽しそうにしてたから」
「お兄ちゃんにも会えるなって思ってた」
「そっかそっか」
そうだな。
兄貴のことだ正巳さんを呼ぶよな。
「ね〜。本当に英里奈は俺の気持ちに気付いてなかったの?」
「何回も聞くね、気付いてないよ」
しつこく聞きたい。
「ただの幼馴染みにしか思ってないんだろうなって…」
「イヤ‼︎ イヤイヤイヤ‼︎」
英里奈、それは違う‼︎
「英里奈の幼馴染みの基準がおかしい‼︎」
思わず力んでしまったけど、
「修しか知らないんだからしょうがないじゃない」
少し拗ねた英里奈も可愛い過ぎる。
「幼馴染みは‼︎ 髪を撫であったりもしないし、おやすみのハグやデコチューもしないし、涙をキスでふきとらないし、散歩で手を繋がない」
だって兄貴とはしないだろ?
「え?だって……修は昔からしてきてたじゃん」
焦る英里奈も可愛い過ぎる。
「ソレが普通だと思い込ませたからね〜」
思わず告白してしまった。