あなたで溢れている
…モゾモゾ
なにかが動いた感覚で目が覚めた。
心地良い怠さに幸せを感じる。
何年かかっただろう…
ベッドから出ようとしている背後姿を抱きしめた。
逃げられないように。
ずっと捕まえておくために。
「…おはよ、英里奈」
「起きてたの⁉︎」
「…今起きた」
驚いてそして恥ずかしがってる顔は煽ってるとしか思えない。
英里奈にいくらキスしても喉の渇きはおさまらない。
英里奈が足りない。
英里奈が欲しくてたまらない。
♪♪♪〜
電話がなってもキスをやめてあげない。
♪♪♪〜
2度目が鳴ると、英里奈に胸を叩かれた。
出ろ、ってことは分かってる、けど離れたくないことも分かってほしい。
「も、メールだって」
渋々キスをやめてスマホをのぞく。
「英里奈のお兄ちゃんから【英里奈を泣かせたらしいな】【殺す‼︎】ってきた‼︎」
一気に血の気が引く‼︎
なにそれ、どういうこと⁉︎
英里奈のマズった顔がなにかを知ってるのだろう。
これについてはあとで聞くとするか。
だけど…
「…………兄貴の誕生会行くの、やめね?」
提案してみると、英里奈が小さく吹き出した。
可愛い‼︎‼︎
その笑顔は守らなきゃいけねぇもんだな。
一生かけて守るべきもんだよな。
正巳さんに1発殴られるのはしょうがないな。
それで英里奈が手に入るならやすいもんだ。
だろ?
fin