あなたで溢れている
○○スーパー"家族の日"という紙をマジマジとみる。
「ん。今更かきたいわけでもなかったんだけど…余ってて…副園長があげるっていうから」
少し頬を染めて言い訳をしている英里奈が可愛い。
思わずクククッと笑ってしまった。
家族の日なんだ、父の日とは書かないんだ。
今は配慮されてるんだな。
英里奈には父親がいなかった、英里奈が産まれる前に亡くなったと聞いている。
だから英里奈の父の日の絵はずっと正巳さんだった。
「子猫ちゃん」
ふいに呼ばれた。
「なに急に?」
「って、マユ先生が修の事を言ってた」
思わず片眉を上げ、
「やめれ〜」
と嫌がった。
「つうか。誰だっけ?マユ先生って」
「胸までカール」
「あ〜、ケバい人ね」
「っちょ‼︎」
俺が失礼なことを言ったので、心正しい英里奈が焦っているのが分かった。