朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】


「え、え? そうなの? 咲桜に彼氏出来ちゃったの? これってあたしどうするべき? 祝福する? それとも妬く?」
 

笑満の瞳がキラキラしていて、私は慌てて笑満を押さえた。


「違う違う、似てるけど違うから落ち着いて」


「似てる?」
 

こてんと首を傾げる笑満。


私も、もっともな反応だと思う。


「似てるけど違うって――まさか出来たのは彼女っ?」
 

大事故起こした。


「あたしを差し置いてどこの女の子とっ⁉ これはあたし妬くしかないんだけど!」
 

驚愕の顔の笑満の頭を摑んで動きを封じた。


そんなこと大声で言わないでくれっ。


「そうじゃないって。彼氏も彼女も出来てないっ」


「じゃあなにが出来たの」


「………」
 

察し良すぎるだろう、この親友。

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