朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】
どんな言葉を使うか迷ったが、自分は笑満に隠し事は出来ない体質だともわかっている。
「うちで詳しく説明するから、絶対に大声出さないでよ? あと、質問攻めも今はナシでお願いしたい」
「うん」
笑満は素直に肯いてくれた。
私は一回、深呼吸する。
「……偽モノの、婚約者が出来ました」
目線を笑満に向けられずに言うと、六秒ほど沈黙された。
「……はい?」
笑満はこてんと首を傾げた。
私も、もっともな反応だと思った。