朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】


「う?」
 

私が首を傾げると、笑満は真剣な瞳で見てきた。


「それ、絶対秘密だよね?」


「う、うん。警察関係の話だし、知られたら先生にも迷惑かかるし――


「あたし、アリバイ作りの協力とか何でもするから、頑張ってね。在義パパと結託して学校を騙す自信、あるから」
 

ものすごく力強く言われた。私は当惑する。


「あ、ありばい? 何を頑張るの? って言うか何故父さんと結託……」


「え? 咲桜、先生のことすきでしょ? 今は偽婚約だけど、卒業しちゃえば関係ないし。あ、その前に先生が教師辞めるんだっけ?」


「………」


「あれ? 違った?」


「………」


「咲桜―?」


「………っ! ええええっ⁉ 私先生のことすきなのっ⁉」

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