朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】
「ひみつ」
「えー、私は全部話したのにー?」
「今はね。恥ずかしいもん。いつかは話すよー」
「……絶対だよ?」
「うん。約束する」
目が合って、三秒ほど見つめ合った。そのあと、同時に吹き出す。
初めて逢ったときに手を引いた親友。
私のことを知って、友達で居続けてくれる。
「取りあえず、頼には先生のこととか、色々秘密にしておきたいんだけど」
「どんな騒ぎ方するかわかんないもんね。あたしには話しちゃってよかったの?」
「そこは先生とも話した。私の方では、笑満だけには話しておきますって」
「仲いいねえ。妬けるなー」
「……そういうんじゃないって」
「あとさ、今度あたしも先生と話してみたいんだけど」
「じゃあ明日一緒に行く? またお弁当届けに行くから」