朧咲夜1-偽モノ婚約者は先生-【完】
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「こんにちはー」
「ああ」
そろりと開けた資料室の中では、先生は机に置いたパソコンに向かっていた。
授業関係……だったらやばいよね?
「入って大丈夫ですか? 学校のお仕事されてるんだったら出直してきますけど……」
「問題ない。向こうの仕事だ」
あ、あちらの仕事を学校に持ち込んでるんだ……。
いいのかな? 不安に思ってしまうけど、先生はすぐにパソコンを閉じた。
「あの、今日は私だけじゃなくて……」
「こんにちはっ」
私の後ろから現れてハキハキした挨拶をするのは笑満だった。
先生は驚いた顔をしたけど、すぐに状況を理解してくれたみたいだ。
笑満には話しておくと伝えてあるから、『先生に』ではなく用事があるとわかってくれたらしい。
こんなことを言った。
「お茶も出ないとこでよかったら」